映画に感謝を捧ぐ! 「恐怖の尋問」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はバーナード・ヴォーハウス監督の
「恐怖の尋問」に感謝を捧げようと思います。
戦争映画 パーフェクトコレクション 死闘の最前線 DVD10枚組 ACC-157
ナチス・ドイツ軍の捕虜に対する尋問術について記録した本作は
無意識の皮肉に彩られた教材映画であります。
ナチス・ドイツ軍の尋問に対する警戒を
促すための存在として生を受けた教材映画が
連合軍の攻撃目標を知るために奮闘する
ナチス・ドイツ軍の勇姿を描いた娯楽作品へと
変異していく光景は
私に「映像作品」が作り手の意図を超えた方向へ
向かっていく現象と
教材性と娯楽性の融合がもたらす科学反応の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(ナチス・ドイツ軍目線のハッピー・エンドから
「本来の意図」に向かって急展開する幕切れが
ある種のブラック・ユーモア性を生み出している点も見逃せません。)
まさに「尋問術&戦争捕虜講座」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
アメリカ軍の教材として作られた存在であるにもかかわらず
娯楽的魅力とナチス・ドイツ軍の「智将ぶり」が
光り輝くという怪現象によって
歴史&戦争に対する「皮肉の刃」を放つ存在となった本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。