映画に感謝を捧ぐ! 「愛慾(1937年版)」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はジャン・グレミヨン監督の「愛慾(1937年版)」に
感謝を捧げようと思います。
ジャン・ギャバンの世界 第3集 DVD10枚組 ACC-114
フランス軍の軍曹「リュシアン」と謎の女性「マドレーヌ」の
運命を描いた本作は
堅実にして上品な愛憎劇であります。
悪女映画&愛憎劇の定番を忠実に守り
観光旅行映画要素を取り込みながらも
効率主義と上品さの均整を保ちながら進行する
ストーリー&演出、キャラクター造形は
私に「俗物性と文学性の共存」に挑む人々の勇姿と
「男の精神的繊細さと女の潜在的魔性」がもたらす
悲劇の一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(悲劇性&背徳感よりも男の友情に心打たれる
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「フランス流悪女映画入門」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
複数の女性とロマンスを楽しみながらも「純愛」を知ってしまった男と
天然的悪女性の制御を失ってしまった女が
運命に翻弄される姿を警戒且つ生真面目に写し出す本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。