映画に感謝を捧ぐ! 「キャンプ・アフガン」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はボリス・バヴァル・コーネン監督の
「キャンプ・アフガン」に感謝を捧げようと思います。
2008年のアフガニスタンに派遣された
オランダ軍部隊の運命を描いた本作は
娯楽映画的魅力に背を向けて
「2010年代の戦争」に迫る戦争映画であります。
時系列操作、戦闘描写&状況設明の抑制
人間模様重視によって生成された
ストーリー&演出、キャラクター造形は
私に2010年代の国際情勢が生んだ「戦争の複雑怪奇化」を
映画的に表現する手法と
単純な状況を複雑に表現する技法を駆使した「社会派的メッセージ」の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(娯楽的盛り上げを抑制し、奇襲的に幕切れを迎えることによって
戦争が「ハッピー・エンドと悲劇の二択」を超越した存在であることを
示した作品であるという点も見逃せません。)
まさに「陰鬱&迷宮系戦争映画」の歴史に輝く
軽量級作品であると言えるでしょう。
軽やか&クールでありながらも技巧過多的な映像技&作劇法によって
「2010年代のアフガニスタン事情」に迫る本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。