映画に感謝を捧ぐ! 「激怒(1936年版)」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はフリッツ・ラング監督の「激怒(1936年版)」に
感謝を捧げようと思います。
恋人に会いに行く途中
無実の罪で逮捕された男「ジョー・ウィルソン」の
運命を描いた本作は
壮絶にして技巧的な巻き込まれ映画であります。
大衆心理&正義漢に宿る狂気、法律と社会の複雑な関係
犯罪捜査における情報管理&自制心の重要性をえぐり出すストーリーと
サスペンス・ホラー・アクションの技法を組み合わせた演出が
一体となる光景は
私に「教材性と娯楽性の共同戦線」・「正義と悪の表裏一体性」
「アメリカに対する信頼と疑心の入り交じった思い」の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(ハッピー・エンドに属しつつも哀しみ&苦味を感じさせる
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「サスペンス系正義&社会論」の雄と呼ぶにふさわしい
作品であると言えるでしょう。
甘いロマンス&ホームドラマの世界が
社会に潜む「モンスター」によって破壊されていく姿を
娯楽映画的サービス精神と社会派的重厚感を両立させながら
描くことに挑んだ本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。