映画に感謝を捧ぐ! 「ヘル・フロント 地獄の最前線」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はソウル・ディブ監督の「ヘル・フロント 地獄の最前線」に

 感謝を捧げようと思います。

ヘル・フロント~地獄の最前線~ [DVD]
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 ロバート・C・シェリフの舞台劇「Journey’s End」を

 もとにして作られた本作は

 娯楽映画的魅力を抑制し、メッセージ性を追求した戦争映画であります。

 日常劇と閉鎖系サスペンスを融合させたかのような状況を

 淡々と写し出した後

 軍事アクションへと急進するストーリー&演出は

 私に、戦闘よりも人間関係に重きを置いた戦争映画作りと

 説教的台詞に依存しない反戦メッセージの

 一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (主人公たちの運命よりも戦況全体に重きを置いた「後日談」によって

 戦場における個人の小ささと戦争の残虐性を

 静かに示した幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「空間限定型戦争映画」の

 一翼を担う作品であると言えるでしょう。

 敵軍描写、戦闘場面、戦況説明を極限まで抑え込み

 戦場の砦における人間心理に迫る本作と

 生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。