映画に感謝を捧ぐ! 「EVIL エヴィル」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はマリオ・ソレンティ監督の「EVIL エヴィル」に
感謝を捧げようと思います。
死後の世界を科学的に立証しようとする
科学者チームの運命を描いた本作は
力業と情報戦術に彩られたホラー映画であります。
「1990年代版フラットライナーズ」の流れを汲む状況に
モンスター映画要素をつなぎ合わせる力業と
アクション映画的暴力性&見世物的ホラー描写によって
様々な問題点&謎を隠蔽しつつ
恐怖&混乱を深めていく情報戦術が一体となった
ストーリー&演出、キャラクター造形は
私に「愛情と狂気の近似性」をホラー的に表現する手法と
「映像的インパクト」によって鑑賞者に謎解きを忘れさせる技法の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(要となる問題から目を背け「ハッピー・エンド」の装飾を纏うことによって
「人生の不条理性」をホラー映画的に表現したかのような
気配を放つ幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「科学実験系ホラー」史上屈指の大怪作であると言えるでしょう。
愛と哀しみによって「マッド・サイエンティスト」と化した男と
彼に翻弄される人々の悲劇を
ホラー的出たとこ勝負主義&ハッタリ精神全開で写し出す本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。