映画に感謝を捧ぐ! 「恐怖の火あぶり」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はジョセフ・エリソン監督の「恐怖の火あぶり」に
感謝を捧げようと思います。
過去のトラウマと謎の声に翻弄される男「ドニー・コラー」と
彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は
陰鬱な暴力性&見世物性に彩られた怪奇映画であります。
幻聴&幻覚に翻弄されながら
女性を焼き殺す主人公の苦悩&凶行を
サスペンスとホラーの技法を使い分けながら
淡々と描いていくストーリー&演出と
1970~80年代風味漂うキャラクター造形が一体となる光景は
私に「虐待」がもたらす間接被害を
モンスター映画的に表現する手法と
ホラー映画的ハッタリ精神の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(新たなる惨劇の前触れを示す幕切れを通じて
子育てにおいて「冷静さ」を保つことの大切さと
社会に潜むモンスター生成要素を
世に示している点も見逃せません。)
まさに「教育論入り陰性怪奇映画」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
加害者であると同時に被害者でもある「異常心理殺人犯」の運命を
1970年代文化と80年代文化
サスペンス的映像技とホラー的音声&残酷描写+装飾を
融合させながら写し出していく本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。