映画に感謝を捧ぐ! 「ボルジア家の毒薬」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はクリスチャン・ジャック監督の「ボルジア家の毒薬」に
感謝を捧げようと思います。
教皇一族「ボルジア家」の歴史をもとにして1953年に作られた本作は
俗物性と神秘性が交錯する実話系史劇であります。
暇つぶし映画的アクション&お色気、大作的人員&物量攻勢
舞台劇的表現法の限りを尽くして
「ボルジア家」の野望&愛憎渦巻く生き様を描いていく
ストーリー&演出、キャラクター造形は
私に「歴史教材性と大衆食堂性による共同戦線」と
上品さを保ちながら「政治的&性的狂気」を表現する手法の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(絵画的映像と共にハッピー・エンドと悲劇が静かに絡み合う
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに野性的サービス精神とヨーロッパ映画的渋味&スケール感が
複雑に絡み合う「ボルジア家入門」であると言えるでしょう。
政治的野心と歪んだ愛情の赴くままに
陰謀&殺戮を繰り広げる暴君と
彼の思惑と家名に流され続けることによって
「天然悪女」となってしまった女性の運命を
上品且つ野性的に写し出す本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。