映画に感謝を捧ぐ! 「真夜中の記憶」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はゲイリー・ネルソン監督の「真夜中の記憶」に
感謝を捧げようと思います。
シドニー・シェルダンの小説「明け方の夢」を
もとにして作られた本作は
上品な力業に彩られたサスペンス映画であります。
次々に訪れる死、ハッタリ的描写の数々
過剰なまでの愛憎関係&どんでん返しによって
複雑怪奇化の一途をたどりながらも
渋味&品の良さを保ち続けるストーリー&演出は
私に「記憶喪失」の娯楽的活用法と
勢い任せ&その場しのぎ的に突き進む物語と
「小説の挿絵」的ムードを感じさせる映像が
融合することによって生じる科学反応の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(壮絶なる決着の後に「ポルノ風味」溢れる
幕切れ→エンドロールを繰り出すという
離れ業に挑んだ幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「愛憎系記憶喪失+巻き込まれ映画」の
一翼を担う作品であると言えるでしょう。
凶暴性、陰鬱さ、思わせぶりの嵐が荒れ狂う状況下にあっても
一定の論理性&神秘性を維持し続けるバランス感覚に驚かされる本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。