映画に感謝を捧ぐ! 「夜歩く男」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はアルフレッド・ワーカー監督の「夜歩く男」に
感謝を捧げようと思います。
1940年代のロサンゼルスで発生した
警官殺害事件をもとにして作られた本作は
実話系犯罪映画史上屈指の「生真面目さ」を感じさせる作品であります。
娯楽映画的盛り上げを極限まで抑制し
LA警察の捜査過程&犯人の動向を
淡々と写し出していくストーリー&演出は
私にアメリカにおける「犯罪捜査技術史」の一端と
「教材性と暇つぶし映画的サービス精神による共同戦線」の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(後日談による感動誘発に溺れず
「犯人の最期」と共に幕切れを迎えることによって
犯罪者の末路&犯罪捜査の過酷さを示している点も見逃せません。)
まさに「アメリカ犯罪&警察史入門」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。
警察と犯人の物語を交互に進行させる作劇法と
記録映像的描写を多用しつつストーリー展開の躍動感を
保ちつつける映像技&編集術によって
後年の犯罪映画に対する「道しるべ」の一つとなった本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。