映画に感謝を捧ぐ! 「夜空の大空港」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はウィリアム・グレアム監督の「夜空の大空港」に
感謝を捧げようと思います。
爆弾テロの標的となった旅客機に関わる人々の
運命を描いた本作は
乗り物系災害映画史上屈指の「静かなる恐怖」に
彩られた作品であります。
娯楽的盛り上げや人間模様を極限まで抑制し
淡々と進行するストーリー&演出によって生成される
クール且つ人情味のあるスリル&サスペンスは
私に娯楽作品における
「適正なスケール感&スケール感維持」の重要性と
危機的状況に対し「冷静さ」を保ち続ける人々が放つ輝きの
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(ユーモアとシリアス、どんでん返しと王道が
静かに絡み合う幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「生真面目型飛行機+テロ対策映画」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
庶民的ムードと破滅的狂気を兼ね備えた犯人造形
武勇伝&名推理よりも「プロの流儀」を
貫く姿を追求した主人公チーム造形
娯楽的魅力を追求しつつ「ご都合主義臭」を感じさせないよう
配慮された作劇法&映像技によって
後年の乗り物系災害映画+テロ対策映画に対する
「道しるべ」の一つとなった本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。