映画に感謝を捧ぐ! 「幸福(しあわせ)」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はアニエス・ヴァルダ監督の「幸福(しあわせ)」に
感謝を捧げようと思います。
幸福(しあわせ) アニエス・ヴァルダ HDマスター [DVD] - ジャン=クロード・ドルオ, アニエス・ヴァルダ, アニエス・ヴァルダ, マグ・ボダール, ジャン=クロード・ドルオ, クレール・ドルオ, マリー=フランス・ボワイエ
建具屋で働く男「フランソワ」と
彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は
恋愛劇史上屈指の「実験性」を感じさせる作品であります。
平穏な夫婦関係と不倫
素朴な日常風景とW・A・モーツアルトの曲を
融合させることによって生じる映画的科学反応は
私に「MTV的軽さと文学的上品さの共存」と
背徳的でありながらも和やかな男女関係の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(愛憎渦巻くサスペンスに向かって急進すると見せかけて
日常劇的ハッピー・エンドへと着地する事によって
緩やかさと怪しさが交錯する幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「穏健派&芸術派不倫劇」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
綱渡り感溢れる男女関係を
クラシックの名曲を有効活用しつつ
上品且つ穏やかに写し出していく
ストーリー&演出に驚かされる本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。