映画に感謝を捧ぐ! 「ファイナル・ブラッド」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はピーター・マロタ監督の「ファイナル・ブラッド」に
感謝を捧げようと思います。
ジャン=クロード・ヴァン・ダム/ファイナル・ブラッド [DVD] - ジャン=クロード・ヴァン・ダム, ピーター・ストーメア, オータム・リーサー, ダニエル・バーンハード, クリス・ヴァン・ダム, マリア・コンチータ・アロンゾ, ピーター・マロタ
謎の男「フィリップ」と彼を取り巻く人々の
運命を描いた本作は
奇策的な足し算によって生を受けたアクション映画であります。
「ダイ・ハード」・「ユージュアル・サスペクツ」
1990~2000年代の東ヨーロッパ事情
漫画的コミカルさが薄まり、妖気を感じさせる風貌へと
変化したJ・C・ヴァン・ダムを融合させることによって
生を受けたストーリー&演出、キャラクター造形は
私に「王道的な物語を複雑に表現する」技法と
西部劇文化と2010年代文化による共同戦線の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(どんでん返し史上主義がもたらす「混沌」を
象徴する幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「空間限定型復讐劇」の歴史に輝く
珍味であると言えるでしょう。
巻き込まれ映画の法則に即して進行しているにもかかわらず
尋問形式+過度の時系列操作によって
鑑賞者を心理的迷宮へと誘うかのような存在となった本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。