映画に感謝を捧ぐ! 「不滅の物語」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はオーソン・ウェルズ監督・主演の
「オーソン・ウェルズの不滅の物語」に感謝を捧げようと思います。
オーソン・ウェルズの不滅の物語 DVD HDマスター - ジャンヌ・モロー, カレン・ブリクセン, オーソン・ウェルズ, ルイ・ド・ヴィルモラン, オーソン・ウェルズ, エリック・サティ, ジャンヌ・モロー, オーソン・ウェルズ, ロジェ・コッジオ, ノーマン・エシュリー, フェルナンド・レイ
イサク・ディーネセン(カレン・ブリクセン)の
同名小説をもとにして作られた本作は
軽量級でありながら
怪奇+純文学的妖気に彩られた怪物的作品であります。
その財力と悪魔的存在力によって
現実と物語の境界線を崩壊させようとする男と
彼に魅入られ&操られた人々の姿を静かに描いていくストーリー
怪奇映画、異常心理劇、ポルノ映画技法が交錯する演出
「純文学小説の挿絵」風味漂う俳優&女優陣が一体となる光景は
私に「創作者が抱える狂気&死が迫った人間特有の心理」を
映画的に表現する手法と
文学性と大衆娯楽性、大作映画と軽量級映画の特性が
独特のバランスで共存する姿を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(物語と作り手の運命が同時に終わる姿を通じて
創作物と創作者を結ぶ絆を写し出す
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「軽量級文学系異常心理劇」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
暇つぶし規模のスケール感の中に
様々な狂気と愛を宿すことによって
物理的スケール感の抑制が精神的スケール感を高めることを
静かに証明する存在となった本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。