映画に感謝を捧ぐ! 「暴力行為」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はフレッド・ジンネマン監督の「暴力行為」に

 感謝を捧げようと思います。

暴力行為 [DVD] - ヴァン・ヘフリン, フレッド・ジンネマン, ヴァン・ヘフリン, ロバート・ライアン, ジャネット・リー
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 元軍人「フランク・エンリー」と

 彼を捜す男「ジョー・パークスン」の運命を描いた本作は

 娯楽性、純文学性、社会性が交錯する

 サスペンス映画であります。

 追う者と追われる者の行動を交互に描きつつ

 つなぎ合わせていく作劇法

 娯楽的スリル&サスペンス+躍動感を保ちながら

 登場人物の心情を写し出す映像技が融合した

 ストーリー&演出が極限状態における人間心理と

 戦争がもたらす狂気に迫っていく光景は

 私に、社会派要素と大衆娯楽要素による共同戦線と

 暇つぶし規模のスケール感&スピード感を保ちつつ

 複雑な社会問題&心理問題に迫っていく試みの

 一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (悲劇性と解放感が静かに絡み合う

 渋味の利いた幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「軽量級純文学サスペンス」の

 一翼を担う作品であると言えるでしょう。

 過激なメッセージと大衆娯楽性

 異常心理劇要素と反戦映画要素が

 

 驚異的なバランス感覚で並び立つ本作と

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。