映画に感謝を捧ぐ! 「沈黙(1963年版)」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はイングマール・ベルイマン監督の「沈黙(1963年版)」に

 感謝を捧げようと思います。

沈黙 [DVD] - イングリッド・チューリン, イングマール・ベルイマン, イングマール・ベルイマン, アラン・エーケルンド, イングリッド・チューリン, グンネル・リンドブロム, ヨルゲン・リンドストロム, ホーカン・ヤンベルイ, ビルエル・マルムステーン, リッシ・アーランド, レイフ・フォシュテンベルイ
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 列車で故郷を目指す姉妹と少年の運命を描いた本作は

 コンパクトにして壮大な道中劇であります。

 列車内&ホテル内という限定された空間の中で

 主人公姉妹の純文学的会話と

 周辺人物との「非会話系コミュニケーション」によって

 進行していくストーリーと

 ポルノ性、怪奇性、ファンタジー性が静かに絡み合う演出が

 一体となる光景は

 私に「状況説明的表現」を極限までそぎ落とし

 物理的スケール感を抑制することによって生じる

 精神的スケール感の広がりと

 「鑑賞者に考えさせる」事を徹底追求した

 表現法の一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (登場人物の末路&心情に関する「手がかり」を示しつつ

 曖昧化する事によって想像力&不安感を刺激する

 幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「純文学系空間限定型道中記」の究極形態を目指して

 突き進む作品であると言えるでしょう。

 「言葉」が通じない環境における心理

 近くて遠い関係にある姉妹&親子のせめぎ合い

 鑑賞者を格調高く幻惑する映像技に彩られた本作と

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。