映画に感謝を捧ぐ! 「いのちの戦場-アルジェリア1959-」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はフローラン=エミリオ・シリ監督の
「いのちの戦場-アルジェリア1959-」に感謝を捧げようと思います。
いのちの戦場 -アルジェリア1959- [DVD] - ブノワ・マジメル, アルベール・デュポンテル, オーレリアン・ルコワン, マルク・バルベ, エリック・サヴァン, モハメッド・フラッグ, フローラン=エミリオ・シリ
アルジェリアの山岳地帯に派遣された
フランス軍兵士たちの運命を描いた本作は
クールなメッセージ性に彩られた戦争映画であります。
1950年代を生きるフランス人の「アルジェリア」に対する認識と
戦争がもたらす「人命、環境、倫理破壊」を
淡々と写し出していくストーリー&演出は
私に「娯楽的魅力」を抑制することによる
メッセージ性の強化と
「戦争」が人心に与える影響を世に知らしめる手法の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(大国による「植民地支配」の時代が終焉を迎えたことを告げつつ
悲劇も長い目で見れば「ハッピー・エンド」に感じられるという
皮肉を放つ幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「フランス流陰性戦争映画」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
フランス政府によって「隠蔽」された
1950年代のアルジェリアにおける戦いを通じて
正義を掲げる人間特有の狂気、戦争の虚しさ&愚かさ
破壊&殺戮の増幅性を世に知らしめた本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。