映画に感謝を捧ぐ! 「私の名前はジュリア・ロス」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はジョセフ・H・ルイス監督の
「私の名前はジュリア・ロス」に感謝を捧げようと思います。
私の名前はジュリア・ロス [DVD] - ニナ・フォック, ジョセフ・H・ルイス
アンソニー・ギルバートの小説「The Woman In Red」を
もとにして作られた本作は
巻き込まれ映画史上屈指の「効率性&堅実さ」を
感じさせる作品であります。
知略と狂気を兼ね備えた母子の陰謀によって
別人に仕立て上げられた女性の運命を
王道的危機&対処法の軽やかなる連打によって
効率的に進行させるストーリー&演出は
私に「自制&良心なき知性」と
「閉鎖的空間における情報統制」の恐怖を
映画的に表現する手法と
段取り描写&情緒を極限までそぎ落とし
鑑賞者が望む部分を並べる映画作りの
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(「油断大敵&竜頭蛇尾」という言葉を象徴するかのような
決着の付け方となっている点も見逃せません。)
まさに「軽量級巻き込まれ映画」の究極形態を
目指して猛進する作品であると言えるでしょう。
狂気と正気、知恵と勇気、平穏な風景と凶悪な陰謀
躍動感と陰鬱さが勢い任せに絡み合う本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。