映画に感謝を捧ぐ! 「アトミック・ブレイン 大脳移植若返り法」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はジョセフ・V・マスセリー監督の
「アトミック・ブレイン 大脳移植若返り法」に感謝を捧げようと思います。
アトミック・ブレイン 大脳移植若返り法 [DVD] - マージョリー・イートン, フランク・ゲルステル, フランク・ファウラー, エリカ・ピータース, ジュディ・バンバー, ジョセフ・V・マスセリー
死者蘇生の研究を行う男「フランク博士」と
彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は
凶悪さと哀しみが交錯するホラー映画であります。
ホラー映画の王道+暇つぶし映画的効率主義の中に
猜疑心&若さへの執着に取り憑かれた老女
科学者的狂気によって良心を破壊された博士
劣等感に支配された老人の悲哀を宿したストーリーと
安物感&見世物感全開の演出
怪しさに溢れた俳優&女優陣が一体となる光景は
私に「状況設明台詞」の有効活用法の一端と
怪奇恐怖生成における「哀愁」の重要性を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(ハッピー・エンドの形態を取りながら
野心&復讐の虚しさを写し出す
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「軽量級ホラー悲劇」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
狂気&野望と哀しみが入り乱れた館で
繰り広げられる陰謀を
小規模映画会社的見世物&節約精神の
限りを尽くして描く事によって生を受けながら
ある種の文学性を秘めた存在となった本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。