映画に感謝を捧ぐ! 「仮面の米国」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はマーヴィン・ルロイ監督の「仮面の米国」に
感謝を捧げようと思います。
仮面の米国 [DVD] - ポール・ムーニ, マーヴィン・ルロイ, ポール・ムーニ, グレンダ・ファレル, ヘレン・ヴィンソン
脱獄囚ロバート・E・バーンズの自伝を
もとにして作られた本作は
刑務所映画史の「大いなる一歩」となる
実話系映画であります。
戦場から帰還した男の
壮絶にして不運な生き様を
娯楽的サービスと社会派的メッセージ
見せ場主義と効率主義の均整を保ちながら
写し出していくストーリー&演出は
私に「運命の残虐性」・「正義を掲げる人間特有の狂気」
「目的が人間にもたらすエネルギー」を
映画的に表現する手法と
資料性と娯楽性による共同戦線の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(ハッピー・エンドとは無縁の未来を感じながらも
生きることを諦めない主人公の執念に
圧倒される幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさにアメリカ映画界における「脱獄囚伝」の歴史を切り開いた
記念碑的作品であると言えるでしょう。
脱獄囚の人生を映画化する大胆さと
娯楽的魅力を的確に押さえた堅実さ&技術力によって
後年の刑務所映画を導く存在となった本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。