映画に感謝を捧ぐ! 「女囚の掟」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はジョン・クロムウェル監督の「女囚の掟」に
感謝を捧げようと思います。
強盗の共犯として収監された女性「マリー・アレン」と
彼女を取り巻く人々の運命を描いた本作は
刑務所映画史上屈指の軽業性を
感じさせる作品であります。
日常劇風味と極道映画風味、効率主義と見せ場主義
社会派要素と大衆娯楽要素が独特のバランスで共存する
ストーリー&演出、キャラクター造形は
私に「王道」を的確に押さえる堅実さと
過激な題材に挑む大胆さの両立法と
限定された空間で最大限の物語性+スリル&サスペンスを
生成する手法の一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(勧善懲悪的ハッピー・エンドに背を向けて
刑務所が人心にもたらす「負の遺産」と
極道の世界に踏み込んだ人間の宿命を静かに写し出す
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「女系刑務所映画入門」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
「刑務所」という世界の持つ閉塞感&魔性
女性心理の光と闇
サクセス・ストーリー、抗争劇、日常劇の醍醐味を
融合させることによって
後年の刑務所映画&TVドラマに対する
「道しるべ」の一つとなった本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。