映画に感謝を捧ぐ! 「街の野獣」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はジュールズ・ダッシン監督の「街の野獣」に
感謝を捧げようと思います。
街の野獣 [DVD] - リチャード・ウィドマーク, ジュールス・ダッシン, リチャード・ウィドマーク, ジーン・ティアニー
ジェラルド・カーシュの小説「ナイト・アンド・ザ・シティ」を
もとにして1950年に作られた本作は
庶民的ムードとサスペンス技法が交錯する
極道映画であります。
愛と野心のために「悪の底なし沼」へと
沈んでいく男女の姿を
クールさと人情味の均整を保ちながら
描いていくストーリーと
豪快なアクション&特殊効果に依存しない
娯楽的スリル&サスペンス生成に挑む
演出が一体となる光景は
私に、極道的価値観と大衆的価値観
ショー・ビジネスと武術家気質のせめぎ合いと
凶悪性と哀愁を結ぶ絆の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(教訓劇の香りと復讐劇に対する静かなる皮肉が
静かに絡み合う幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「日常系極道映画」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
善人と極悪人の中間に立つ人々の
激しくも哀しい人間模様を
娯楽的サービス精神と文学性を両立させながら写し出す本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。