映画に感謝を捧ぐ! 「ウイークエンド(1967年版)」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はジャン・リュック・ゴダール監督の

 「ウイークエンド(1967年版)」に感謝を捧げようと思います。

ウイークエンド 《IVC 25th ベストバリューコレクション》 [DVD] - ミレーユ・ダルク, ジャン・ヤンヌ, ジャン=ピエール・レオー, ジャン=リュック・ゴダール
ウイークエンド 《IVC 25th ベストバリューコレクション》 [DVD] - ミレーユ・ダルク, ジャン・ヤンヌ, ジャン=ピエール・レオー, ジャン=リュック・ゴダール

 遺産を奪うため妻の実家へと向かった夫婦の運命を描いた本作は

 凄まじいほどの「奔放さ」によって

 ファンタジーの領域に到達した道中劇であります。

 サスペンス風味溢れる夫婦の物語が

 社会派的メッセージと幻惑的映像技に飲み込まれていく光景は

 私に「1960年代文化」・「J・L・ゴダール監督の内面&映像技法」

 「上流社会の魔性」・「道中劇の法則」・「階級&革命論」の融合がもたらす

 科学反応の一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (作品世界の終幕を超え「ある時代の終わり」を暗示する

 幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「道中劇型純文学系社会論」の歴史に輝く

 一作であると言えるでしょう。

 王道的サスペンス&夫婦劇の枠が段階的に取り外され

 現実感と虚構感、不条理性と思想性が複雑に絡み合う世界へと

 変異していく姿に圧倒される本作と

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。