映画に感謝を捧ぐ! 「深夜の歌声」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はジーン・ネグレスコ監督の「深夜の歌声」に
感謝を捧げようと思います。
歌手「リリー・スティーブンス」と彼女を取り巻く
人々の運命を描いた本作は
複数の物語特性がせめぎ合う愛憎劇であります。
男女の愛と男同士の友情、恋愛劇技法と陰謀劇技法
甘い挿入曲と荒々しい酒場の風景が絡み合う
ストーリー&演出、キャラクター造形は
私に「愛と狂気を結ぶ絆」・「人間関係変質&崩壊の過程」を
映画的に表現する手法、挿入曲の有効活用法
殺人に依存しないスリル&サスペンス生成術の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(ハッピー・エンドの爽快感&安心感よりも
悪漢が最期に示した「純情さ」が印象深い
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「愛憎劇+アイドル映画型男女関係論」の
一翼を担う作品であると言えるでしょう。
甘いロマンスが狂気渦巻くサスペンスに飲み込まれていく姿を
I・ルピノ&R・ウィドマークの持ち味を生かしながら描いていく
作劇法&映像技に心打たれる本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。