映画に感謝を捧ぐ! 「ゾンビアーミー~死者の軍隊~」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はフレディー・ハットン=ミルズ&バート・ラスポリ監督の
「ゾンビアーミー~死者の軍隊~」に感謝を捧げようと思います。
ゾンビアーミー ~死者の軍隊~ [DVD] - フィリップ・バランティーニ, フレディ・ハットン=ミルズ, バート・ラスポリ, フレディ・ハットン=ミルズ, セバスチャン・マレスコット, フィリップ・バランティーニ, ロバート・ブレーデン, ケイシー・クラーク, ソルヴェイグ・エヴァ, カイル・フランク, マルコ・ガンビーノ
「ソンムの戦い」を題材としたドキュメンタリー作りに
参加した人々の運命を描いた本作は
大胆にして堅実なメッセージ性に彩られた疑似実録映画であります。
第1次大戦期における激戦の一つを
ホラー映画的に活用するという大胆さ
疑似実録映画特有の「不鮮明&不安定感」に満ちた映像
ゾンビ系ホラーの王道とドキュメンタリーの舞台裏を
組み合わせた作劇法によって
後世の人々に「戦争の非情さ」を伝えようとする死者の物語が
生成されていく光景は
私に「ホラー映画的戦争批判」と
映像作品において「欠点」とされる部分がメッセージ性を
強化する現象の一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(ホラー映画的思わせぶりに基づいた幕切れが
我々の生きる時代にも「戦争の種子」が潜んでいることを
暗示している点も見逃せません。)
まさに「反戦型ゾンビ系ホラー」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
娯楽感覚で「戦争ドキュメンタリー」を作ろうとした人々が
ゾンビとして復活した兵士たちによって
「戦争」の恐怖を体感する姿を通じて
ホラー映画と社会&歴史の関係と
戦争がもたらす狂気&惨劇を
後世に伝えることの難しさを写し出す本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。