映画に感謝を捧ぐ! 「高い壁」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はカーティス・バーンハート監督の

 「高い壁」に感謝を捧げようと思います。

高い壁 [DVD] - ロバート・テイラー, オードリー・トッター, カーティス・バーンハート, ロバート・テイラー
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 妻殺害の容疑で逮捕され、精神病院へと送られた元兵士

 

 「スティーブ・ケネット」と彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は

 堅実なサービス精神と大胆さが絡み合う

 サスペンス映画であります。

 巻き込まれサスペンス&記憶喪失映画の王道要素を

 的確に押さえる堅実さと

 戦争がもたらす障害、精神病院の実態

 法治と医療のせめぎ合いを題材とする

 大胆さを兼ね備えたストーリー&演出は

 私に「娯楽的サービス精神とメッセージ性の両立」への挑戦と

 「精神状態&記憶」を映像化する技法の

 一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (力業で「ハッピー・エンド」へと導く豪快さと

 「物的証拠を隠蔽することができても

 罪の記憶からは逃れられない」という

 教訓性を兼ね備えた幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「記憶喪失映画&精神病院入門」の

 一翼を担う作品であると言えるでしょう。

 精神病院と外界の物語、現実と記憶を絡み合わせながら

 殺人事件の真相に迫る作劇法&映像技によって

 後年の記憶喪失映画に対する「道しるべ」の一つとなった本作と

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。