映画に感謝を捧ぐ! 「おもいでの夏」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はロバート・マリガン監督の

 「おもいでの夏」に感謝を捧げようと思います。

おもいでの夏 [DVD] - ジェニファー・オニール, ゲーリー・グライムス, ジェリー・ハウザー, ロバート・マリガン
おもいでの夏 [DVD] - ジェニファー・オニール, ゲーリー・グライムス, ジェリー・ハウザー, ロバート・マリガン

 海沿いの小屋で暮らす女性「ドロシー」と

 彼女に憧れる少年「ハーミー」の運命を描いた本作は

 過激さ、上品さ、技巧性が絡み合う青春映画であります。

 少年期の性衝動&戦争がもたらす悲劇を

 静かに描いていくストーリー

 性的な場面を巧みに抽象化しつつ

 ヒロイン&風景の美しさを引き出していく演出

 情緒に溢れた音楽が一体となる光景は

 私に「愛憎劇&ポルノ的方向」に進行しやすい題材を

 上品且つ穏健に表現する技法と

 「1940年代のアメリカ事情」の一端を

 映画的に表現する手法の

 一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (静かに去っていく主人公&友人たちの姿を写しつつ

 彼らが抱える「喪失感」を示していく幕切れと

 なっている点も見逃せません。)

 

 まさに「季節限定型恋愛系青春映画」の一翼を担う

 作品であると言えるでしょう。

 1942年&夏という時間、島という空間

 10代後半という年齢の融合が生み出す

 ロマンス&人間模様を

 現実感とおとぎ話感、娯楽性と文学性を

 

 絡み合わせながら写し出していく本作と

 生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。