映画に感謝を捧ぐ! 「ザ・クローン」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はジェイソン・J・トマリック監督の「ザ・クローン」に
感謝を捧げようと思います。
ザ・クローン [DVD] - ジェフ・St・クレア, ゲイリー・スキバ, ビル・カコ, バレリー・リニー・ロー, チャールズ・エドゥアドウ, ジェイソン・J・トマリック, ジェフ・St・クレア
クローン技術による人類救済を目指す男
「デレク」と彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は
映像&作劇的難解さによって
鑑賞者の精神に挑むSF映画であります。
科学的な状況設明台詞と複数人物の目線を
交錯させる手法によって生成されたストーリーと
細切れ感&幻惑感満載の演出が一体となる光景は
私に「物語的迷路」に飲み込まれていく感覚と
正義を掲げる人間特有の狂気をSF的に表現する
試みの一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(「夢オチ」的真相によってある種の論理性が
確保されるという怪現象と
力業満載のハッピー・エンドを堪能させてくれる
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「心理迷宮系SF」の究極形態を目指して
突き進む一作であると言えるでしょう。
SF映画史上屈指のやりたい放題&ハッタリ精神
不安定感溢れる映像、出たとこ勝負的キャラクター造形
反則級どんでん返しが炸裂する本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。