映画に感謝を捧ぐ! 「東京の合唱(コーラス)」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回は小津安二郎監督の「東京の合唱(コーラス)」に
感謝を捧げようと思います。
あの頃映画 松竹DVDコレクション 「東京の合唱/淑女と髯」 - 岡田時彦, 八雲恵美子, 菅原秀雄, 高峰秀子, 川崎弘子, 飯田蝶子, 伊達里子, 小津安二郎
同僚の解雇に抗議した事によって
会社を追放された男「岡島」と
彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は
和やかさと苦味が絡み合うサイレント喜劇であります。
サラリーマン社会&不況の荒波にもまれながら
日々を生きる人々の姿を
ユーモアとシリアス、娯楽性と風刺性の
均整を保ちながら描いていくストーリー&演出は
私に逆境における「ユーモア精神」の大切さと
「現実感と娯楽要素のバランスに長けた」作品作りの重要性を
世に示す試みの一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(能天気なハッピー・エンドに背を向けて
「過酷な時代に一筋の安らぎ&希望を見いだす」形態の
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「喜劇系人生訓」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
悲劇的な出来事をコミカルに表現する技法と
サイレント映画の特性を最大限に生かして
現実と名誉心、サラリーマン精神と人情
大人心と子供心、男気と女気のせめぎ合いを写し出す本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。