映画に感謝を捧ぐ! 「サンライズ(1927年版)」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はF・W・ムルナウ監督の「サンライズ(1927年版)」に
感謝を捧げようと思います。
サンライズ クリティカル・エディション [DVD] - ジャネット・ゲイナー, ジョージ・オブライエン, F・W・ムルナウ, ヘルマン・ズーデルマン, F・W・ムルナウ, ジャネット・ゲイナー
農村に住む夫婦と彼らを取り巻く人々の
運命を描いた本作は
多彩な表情と技を持ったサイレント夫婦劇であります。
各種娯楽要素を組み合わせつつ
教訓性&文学性を宿したストーリーと
娯楽的技巧と神秘性を兼ね備えた演出が
波瀾万丈でありながらも和やかな
夫婦の生き様を写し出す光景は
私に「心理」を映像的に表現する手法
物語の魅力を最大限に引き出す為の映像&効果音技法
「愛」の持つ危うさ、強靱さ、和やかさを
映画的に表現する試みの一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(アクション映画的決着を抑制し
平和主義的なハッピー・エンドへと着地する
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「映画技法+夫婦関係+地域性入門」の
一翼を担う作品であると言えるでしょう。
ロマンス、サスペンス、日常劇、コメディ
冒険活劇の醍醐味を共存させるバランス感覚
サイレント映画でありながら「説明台詞」への依存を抑制し
映像&効果音で語る技術力
夫婦関係、都会文化と地方文化の関係
男女関係への鋭い目線によって
後年の映像作品を導く存在となった本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。