映画に感謝を捧ぐ! 「死の拳銃狩」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はエドワード・L・カーン監督の「死の拳銃狩」に

 感謝を捧げようと思います。

死の拳銃狩 [DVD] - ウォルター・ヒューストン
死の拳銃狩 [DVD] - ウォルター・ヒューストン

 元保安官「フレイム・ジョンソン」と

 彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は

 活劇性とメッセージ性が軽快且つ緩やかに

 絡み合う西部劇であります。

 西部劇の王道に即したキャラクター造形&アクション・シーン

 法と秩序を守るため悪と闘う人間が抱える孤独感

 理想と現実のせめぎ合い、大衆的優柔不断に対する警鐘を

 融合させたストーリー&演出が

 驚異的な効率性で進行する光景は 

 私に、大衆娯楽的サービスと社会派的問題提起の

 両立を図る試みと

 「武勇伝」が人生に与える悪影響を

 西部劇的に表現する手法の一形態を

 目の当たりにする機会をもたらしました。

 (後年の「真昼の決闘」に通じる虚しさと

 東映任侠路線的男気が静かに交錯する

 幕切れとなっている点も見逃せません。)

 

 まさに「風刺系西部劇入門」の一翼を担う

 作品であると言えるでしょう。

 暇つぶし西部劇的効率主義&見せ場主義と

 法&秩序と武力の複雑な関係+大衆心理に関する一考察が 

 驚異的なバランス感覚で共存する本作と

 生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。