映画に感謝を捧ぐ! 「プラネット・オブ・ロボット」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はニール・ジョンロー監督の
「プラネット・オブ・ロボット」に感謝を捧げようと思います。
プラネット・オブ・ロボット [DVD] - イアン・ロウ, ニール・ジョンロー
謎の惑星に不時着した男「ジェームズ」の
運命を描いた本作は
SF映画史上最大級の「倹約精神&反娯楽感」に
彩られた怪作であります。
極限まで抑制された登場人物&キャラクター数
素朴極まる風景、思わせぶりな回想描写
玩具感溢れるロボット造形
凄まじいほどに緩慢なストーリー展開
和やかな特殊効果が一体となる光景は
私に「節約とハッタリの両立」を徹底追求したSF映画作りと
主人公と鑑賞者の苦闘が重なり合う現象の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(1968年の映画「猿の惑星」の流れを汲みつつ
「静かなる絶望感と生存本能のせめぎ合い」を
写し出す幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「省力+幻惑型SF」の究極形態を目指して
突き進む作品であると言えるでしょう。
「宇宙系SFでありながら物語の大半を(一人芝居)で構成する」
「(ヒント)の提示によってどんでん返しの威力を弱めつつ
重要とされる謎を曖昧化する」大胆さに驚かされる本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。