映画に感謝を捧ぐ! 「ザ・カオス」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はアリエル・ブロメン監督の「ザ・カオス」に
感謝を捧げようと思います。
ザ・カオス LBX-746 [DVD] - エリック・バルフォー, コリン・ハンクス, ローレン・ジャーマン, ダニー・ピノ, アリエル・ブロメン
メキシコで開催される「パーティー」に参加するため
旅立った男女3人の運命を描いた本作は
極道映画風味と青春映画風味が
せめぎ合う道中劇であります。
家族の危機を救い、不遇の人生から脱却するため
観光旅行&アルバイト感覚で「ドラッグ・ビジネス」の世界に
踏み込んでしまった男が「トラブル&犯罪の底なし沼」へと
沈んでいく姿を
青春映画的軽さと極道映画的危うさ&凶暴性を
絡み合わせながら描いていくストーリー&演出は
私に南米の暗部、「ドラッグ」に関わることの危険性
精神的&経済的に追いつめられた人間を覆う狂気を
映画的に表現する手法の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(「逃亡者&警察」に対して冷静に対応することの難しさを
象徴するかのような「決着の付け方」となっている点も見逃せません。)
まさに「極道系観光旅行映画」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。
「旅の恥はかき捨て」感覚の暴走、ドラッグ・ビジネスの甘い罠
人命軽視的密輸アイデアの融合がもたらす悲劇を
陰鬱且つ軽快に描いて行く本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。