映画に感謝を捧ぐ! 「キング・オブ・マーヴィン・ガーデン -儚き夢の果て-」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はボブ・ラフェルソン監督の
「キング・オブ・マーヴィン・ガーデン -儚き夢の果て-」に
感謝を捧げようと思います。
キング・オブ・マーヴィン・ガーデン -儚き夢の果て- [DVD] - ジャック・ニコルソン, ブルース・ダーン, エレン・バースティン, ボブ・ラフェルソン, ボブ・ラフェルソン, ジャック・ニコルソン
ハワイでの観光事業を目指す兄弟と
女性2人の運命を描いた本作は
静かなる狂気と悲哀に彩られたホームドラマであります。
奔放さと不安定さを満ちた兄&女性2人と
彼らの生き様に危うさを感じながらも共に歩もうとする弟の姿を
娯楽的盛り上げ&技巧を極限まで抑制し
クールに写し出していくストーリー&演出は
私に「夢&自由を追い求める心と現実を見つめる心のせめぎ合い」
「1970年代的反権威&破滅文化」・「文学性と娯楽性の共存」の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(夢見る時間&童心の終わりを静かに示す幕切れが
穏やかなる残酷性を放っている点も見逃せません。)
まさに「穏健派破滅型兄弟劇」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
渋味の利いた映像&音楽、純文学感溢れるストーリー展開
J・ニコルソン&B・ダーンが発する繊細なるアウトロー風味の
融合によって人生の無常、大人心と子供心の葛藤
観光事業に潜む魔性を写し出す本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。