映画に感謝を捧ぐ! 「黒猫(1934年版)」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はエドガー・G・ウルマー監督の「黒猫(1934年版)」に
感謝を捧げようと思います。
黒猫 [DVD] - ボリス・カーロフ, エドガー・G・ウルマー, ボリス・カーロフ, ベラ・ルゴシ, デービッド・マナーズ
エドガー・アラン・ポーの同名小説をもとにして
1934年に作られた本作は
軽やかなる妖気に包まれた怪奇映画であります。
愛と憎しみによって狂気へと誘われた男2人のせめぎ合いと
彼らの思惑&魔性に巻き込まれた夫婦の運命を
怪奇映画的映像技と見せ場主義の
限りを尽くして描いていくストーリー&演出は
私に「戦争&自制なき愛情」がもたらす惨劇を
怪奇映画的に表現する試みと
神秘性と効率性の両立を図る技法の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(宿敵と共に自らを葬ることによって
心中の悪魔を滅しようとするかのような復讐者の
最終選択が印象深い「決着の付け方」と
なっている点も見逃せません。)
まさに「軽量級復讐系怪奇映画」の雄と呼ぶにふさわしい
作品であると言えるでしょう。
E・A・ポーの怪奇小説を自分流に加工しようとする大胆さ
怪奇俳優B・カーロフ&V・ルゴシの存在力
見世物的残酷描写に依存することなく
怪奇映画的スリル&サスペンスを高めていく映像技が炸裂する本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。