映画に感謝を捧ぐ！ 「夜の大統領」
映画弁護人ＧＨＭ（西村哲也）です。
今回はアルフレッド・Ｅ・グリーン監督の
「夜の大統領」に感謝を捧げようと思います。
ギャンブル好きの理容師「ニック」と
彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は
極道映画史上屈指の「穏健なる効率性」に
彩られた作品であります。
泥棒＆殺人や密造酒＆薬物売買に依存せず
「ギャンブル」によって極道界の大物となった
男たちの栄枯盛衰を暴力描写を極限まで抑制し
ユーモアとスリル＆サスペンスを絡ませながら
軽やかに描いていくストーリー＆演出は
私に「銃撃」に依存しない極道映画的見せ場作りと
職人的才能と極道的才能を兼ね備えた人間が
周囲の影響によって「壮大な野心」に目覚めてしまう事による
悲劇の一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
（悲劇的決着でありながらも和やかさを保ち続ける
主人公の姿に心打たれる幕切れとなっている点も見逃せません。）
まさに「穏健＋知的労働派極道映画」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
アメリカ映画界が誇る極道俳優
Ｅ・Ｇ・ロビンソン＆Ｊ・キャグニーが放つ
悪漢的存在力の有効活用
銃撃や殺人に依存しないスリル＆サスペンス生成術
「さいころ＆トランプ博打」へのこだわりによって
後年の極道映画に対する「道しるべ」の一つとなった本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を！！！。
