映画に感謝を捧ぐ! 「JUNK FOOD/ジャンクフード」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回は山本政志監督の

 「JUNK FOOD/ジャンクフード」に感謝を捧げようと思います。

JUNK FOOD [DVD] - 鬼丸, 義幸, 飯島みゆき, MIA, マンブルゴッチ, 小林陽子, 津田寛治, 山本政志, 山本政志, 鬼丸
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 東京の一角で暮らす人々が織りなす4つの物語を描いた本作は

 様々な娯楽技法&文化が

 複雑且つクールに絡み合う日常劇であります。

 身体的ハンディキャップを抱える女性の静かなる朝

 薬物に溺れた女性と彼女を取り巻く怪しげな男たちの時間

 様々な思いを抱いて来日した外国人たちと

 夜の町を流離う極道たちとの交流を

 淡々と描いていくストーリー&キャラクター造形と

 ホームビデオ的不安定感、ホラー的残酷性

 MTV的映像+音楽編集術、サスペンス的時系列操作を

 状況に応じて使い分ける演出が一体となる光景は

 私に都会生活に宿る「ドラマ性」の一端と

 凶暴さと冷淡さ、人情と狂気、性的欲求と暴力的衝動

 日本映画風味と西洋映画風味が

 独特のバランスで共存する現象の一形態を

 目の当たりにする機会をもたらしました。

 (さまよえる男たちの哀愁と

 歴史の持つ「繰り返し感」を暗示するかのような空気が

 幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「陰鬱&野性系和製日常劇」の一翼を担う

 作品であると言えるでしょう。

 都会に生きる男女の「ジャンクフード」的刹那さに

 まみれたれ生き様を

 日常劇の穏やかさ、サスペンスの危うさ

 極道映画の凶悪性が一堂に会した物語と

 記録映像と娯楽作品の中間に立つかのような

 気配を放ちながら進行する映像を駆使して写し出す本作と

 生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。