映画に感謝を捧ぐ! 「ジュラシック・プロジェクト」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はアダム・スピンクス監督の

 「ジュラシック・プロジェクト」に感謝を捧げようと思います。

ジュラシック・プロジェクト [DVD] - サラ・マック
ジュラシック・プロジェクト [DVD] - サラ・マック

 アマゾンの生態系調査を行う科学者一行と

 彼らの活動を記録する人々の運命を描いた本作は

 疑似実録映画の持つ「葛藤」を象徴する作品であります。

 緩慢さ、不明瞭感、ハッタリに彩られた

 ストーリー&演出によって

 ある種の「現実感」が醸し出されていく光景は

 私に「記録映像風ハッタリと娯楽的サービスのせめぎ合い」と

 

 鑑賞者に「欠点」と見なされがちな部分を

 現実感生成術として認識してもらう試みの

 一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (ドキュメンタリー風後日談の後に「エンドロール」で

 実態を明かすという大胆不敵さを持った

 作品であるという点も見逃せません。)

 まさに「疑似実録映画入門」の一翼を担う

 作品であると言えるでしょう。

 「ジュラシック・パーク」とブレア・ウィッチ・プロジェクト」が

 もたらした潮流を力業で融合させることによって生を受け

 SF的ハッタリ精神と記録映像的リアリズムの間で

 揺れ動く存在となった本作と

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。