映画に感謝を捧ぐ！ 「小雀峠」

　映画弁護人ＧＨＭ（西村哲也）です。

　今回は沼田紅緑監督の「小雀峠」に

　感謝を捧げようと思います。

小雀峠 [DVD] - 阪東妻三郎, 沼田紅緑

飴売りの少年「徳太郎」と彼を取り巻く人々の

　運命を描いた本作は

　物語性と活劇性の両立化に挑む

　サイレント時代劇であります。

　剣術アクション、ホームドラマ＆コメディ的人間模様

　道中劇的風景＆トラブル、歌劇的挿入曲を融合させた

　ストーリー＆演出、キャラクター造形が

　軽やか且つ渋く進行する光景は

　私に「人情味と冒険味による共同戦線」と

　殺人＆どんでん返しに依存しないスリル＆サスペンス生成術の

　一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

　（万事解決のハッピー・エンドに背を向けて

　江戸時代の暗部に向き合う幕切れとなっている点も見逃せません。）

　まさに「人情派道中時代劇」の一翼を担う

　作品であると言えるでしょう。

　暇つぶし規模のスケール感＆スピード感の中に

　時代劇的アクション、ホームドラマ、コメディ、ミュージカルの

　持ち味を豪快に詰め込んだ本作と

　生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を！！！。