映画に感謝を捧ぐ! 「記憶の代償」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はジョセフ・L・マンキーウィッツ監督の
「記憶の代償」に感謝を捧げようと思います。
記憶の代償 [DVD] - ジョン・ホディアク, ナンシー・ギルド, ロイド・ノーラン, リチャード・コンテ, ジョセフ・L・マンキーウィッツ, ジョセフ・L・マンキーウィッツ, ハワード・ディムスデール, リー・ストラスバーグ, ジョン・ホディアク
戦場での負傷によって記憶を失った男と
彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は
堅実なる技法&サービス精神に彩られた
記憶喪失映画であります。
巻き込まれサスペンスと「自分探しの旅」を
融合させるという発想
娯楽的見せ場を的確に押さえる知略
暴力描写を抽象化しつつ
スリル&サスペンスを生成する技術を兼ね備えた
ストーリー&演出は
私に「精神と現実を結ぶ絆」を映画的に表現する手法と
豪快なストーリー展開&力業的な人間関係を
娯楽的躍動感&見せ場作りで補いつつ
一定の説得力を与える妙技の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(映画への愛と「ハッピー・エンド主義」に対する
無意識の皮肉が交錯する「決着の付け方」と
なっている点も見逃せません。)
まさに「記憶喪失映画入門」と精神論を
兼ね備えた一作であると言えるでしょう。
サスペンス要素と癒し系映画要素
どんでん返し主義と論理性
娯楽性と倫理的配慮が独特のバランスで共存する本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。