映画に感謝を捧ぐ! 「テイキング・オブ・デボラ・ローガン」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はアダム・ロビテル監督の

 「テイキング・オブ・デボラ・ローガン」に感謝を捧げようと思います。

テイキング・オブ・デボラ・ローガン [DVD] - ジル・ラーソン, アン・ラムゼイ, ミシェル・アン, ブレット・ジェンタイル, ジェレミー・デカルロス, ライアン・カトロナ, アダム・ロビテル
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 山奥で娘と暮らす女性「デボラ・ローガン」と

 彼女を取り巻く人々の運命を描いた本作は

 1973年の映画「エクソシスト」の流れを汲みつつ

 疑似実録映画技法&実在の病気を組み合わせることによって

 生を受けた悪霊系ホラーであります。

 「アルツハイマー病」に関する記録映像の装飾を纏いつつ

 段階的に悪霊系ホラーへと向かっていく大胆さと

 疑似実録系ホラーの王道的要素を的確に押さえる

 堅実さを兼ね備えたストーリー&演出、キャラクター造形は

 私に「ホラー映画と歴史の関係」を示す資料

 不安定感満載の映像を正当化する戦術

 伝承が悪用される恐怖を世に知らしめる試みの

 

 一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (淡々とした雰囲気の中に

 ハッピー・エンド至上主義に対する皮肉を宿す

 幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「疑似実録型ホラー」史上屈指の

 不謹慎性&記録映像的ハッタリ性に満ちた怪作であると言えるでしょう。

 「病人をモンスター的に扱う」怪奇芸術家的狂気と

 省力的且つ見世物的な映像技の融合によって

 アトラクション的残酷性と精神的残酷性を兼ね備えた存在となった本作と

 

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。