映画に感謝を捧ぐ! 「新・13日の金曜日」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はダニー・ステインマン監督の
「新・13日の金曜日」に感謝を捧げようと思います。
新13日の金曜日 [DVD] - メラニー・キナマン, ジョン・シェパード, ジェイバー・ロス, ダニー・スタインマン
「13日の金曜日(1980年版)」をもとにして作られた
人気シリーズの5作目となる本作は
シリーズ史上屈指の「実験性&精神性」に
支配された挑戦作であります。
前4作の設定を継承しつつ
舞台を「クリスタル・レイク」から精神病棟&その周辺へと移し
シリーズの主人公的存在である「ジェイソン」の
全体像をほとんど登場させないという大胆な発想
凄まじいほどに軽快且つ多彩な殺人描写
惨劇を体験した人間が抱える「トラウマ」へのこだわりが
一体となったストーリー&演出は
私に「安定思考と挑戦者精神のせめぎ合い」と
犯罪の間接被害、狂気の持つ「伝染性」
精神医療のリスク、伝説の持つ引力
閉鎖的公的機関の暗部をホラー映画的に表現する
試みの一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(壮絶なる執念によって肉体的制約を超越し
悪霊の領域に到達した「ジェイソン」の存在力に
圧倒される幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに続編映画の法則と新たなる領域への挑戦が
交錯する「13日の金曜日」第5章であると言えるでしょう。
1980年代を彩るホラー映画シリーズの一つ
「13日の金曜日」シリーズの持ち味を保ちつつ
サスペンス映画特有の「どんでん返し史上主義」への皮肉と
新たなる「スター主義的映画作り」の可能性を示した本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。