映画に感謝を捧ぐ! 「アナイアレイション-全滅領域-」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はアレックス・ガーランド監督の

 「アナイアレイション-全滅領域-」に感謝を捧げようと思います。

アナイアレイション-全滅領域- [AmazonDVDコレクション] - ナタリー・ポートマン, ジェニファー・ジェイソン・リー, ジーナ・ロドリゲス, テッサ・トンプソン, ツヴァ・ノヴォトニー, オスカー・アイザック, アレックス・ガーランド
アナイアレイション-全滅領域- [AmazonDVDコレクション] - ナタリー・ポートマン, ジェニファー・ジェイソン・リー, ジーナ・ロドリゲス, テッサ・トンプソン, ツヴァ・ノヴォトニー, オスカー・アイザック, アレックス・ガーランド

 怪現象「シマー」の謎に迫る女性5人の運命を描いた本作は

 鑑賞者を陰鬱な美とクールさに溢れた迷宮へと誘うSF映画であります。

 

 状況設明の抑制&時系列操作の多用によって難解化したストーリー

 絵画的映像美とモンスター映画的サービスがせめぎ合う演出

 怪しさ&危うさに溢れたキャラクター造形が淡々と進行する光景は 

 私に「単純な物語を複雑に映像化する」

 「映像的見せ場の為にストーリーを生成する」

 「最小限度の人物数でSF+サスペンス的ムードを醸し出す」

 

 「鑑賞者に主人公一行の混乱状態を共有させる」

 手法の一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (万事解決のハッピー・エンドに見せかけつつ

 登場人物の運命を「鑑賞者の想像力」に

 委ねるかのような幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「陰性迷宮系美術館型SF」の一翼を担う

 作品であると言えるでしょう。

 荒唐無稽な状況設定、回想と現実の境目を分かり難くする表現法

 残酷な場面の抽象化、ストーリー展開の緩慢化

 謎の解明を重視しない精神が一堂に会しながらも

 一定の論理性&見世物的魅力を保ち続けようとする

 バランス感覚に彩られた本作と

 生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。