映画に感謝を捧ぐ! 「プロデューサーズ(1968年版)」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はメル・ブルックス監督の

 「プロデューサーズ(1968年版)」に感謝を捧げようと思います。

プロデューサーズ [DVD] - ゼロ・モステル, メル・ブルックス, ゼロ・モステル, ジーン・ワイルダー, ケネス・マース
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 舞台劇プロデューサー「マックス・ピアストリック」と

 会計士「レオ・ブルーム」の運命を描いた本作は

 娯楽産業の未来に対する予言、ショー・ビジネスの魅力&魔性

 

 壮絶なるブラック・ユーモア&アーティスト力が

 炸裂する舞台裏喜劇であります。

 意図的に「失敗作」を作ることによって

 富を得ようとする舞台劇製作者コンビと

 世間の良識&評価に抗おうとも、自らの信念を貫こうとする

 作り手達の融合がもたらす科学反応を通じて

 「制作委員会方式」の暗部、A・ヒトラーの悪魔的魅力

 作品が創作者の意図を超えた存在へと変異していく現象を

 写し出していくという挑戦者精神によって生を受けた

 ストーリー&演出、キャラクター造形は

 私に「常識」の逆を行く娯楽作品作りの醍醐味

 奇想天外な発想と高水準の技術による共同戦線

 可笑しさと哀しさ&邪悪さを結ぶ絆の

 一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (過酷な状況にあっても光り輝く

 「芸術&ショー・ビジネス」に人生を捧げた男たちの闘志に

 心打たれる幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「ドタバタ喜劇系芸術&ビジネス論」の

 一翼を担う作品であると言えるでしょう。

 卓越した喜劇&ミュージカル力によって

 作り手と出資者を隔てる「意識的壁」と

 作家性の赴くままに猛進する人々の共演が招く混沌

 ショー・ビジネスが持つ麻薬的魅力

 ヒトラーの娯楽的効能を軽やかに掲げ

 「喜劇映画監督M・ブルックス」の誕生を告げると同時に

 後年の娯楽作品に対する「道しるべ」の一つとなった本作と

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。