映画に感謝を捧ぐ! 「博徒解散式」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 

 今回は深作欣二監督の「博徒解散式」に

 感謝を捧げようと思います。

東映任侠映画DVDコレクション 79号 (博徒解散式) [分冊百科] (DVD付) (東映任侠映画傑作DVDコレクション)
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 解散の危機に陥った組を救うために

 奔走する幹部「黒木」と

 彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は

 前年の同監督&主演作「解散式」の流れを汲みつつ

 更なる反抗へと踏み込んだ極道映画であります。

 時代の変化によって心身を蝕まれ

 忠誠を誓った組織の崩壊と自らの破滅へと

 導かれていく極道者たちの姿を

 任侠映画的見せ場を暴力的且つ陰鬱に皮肉るかのような

 台詞&映像技を駆使して描いていく

 ストーリー&演出、キャラクター造形は

 私に、王道的手法を駆使しながら

 王道への反抗心を示す試みと

 「時代への迎合を拒み、信念を貫く男」に対する

 敬意と疑心の入り交じった目線の

 一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (幻惑的な映像と肩すかし的な決着によって

 最期まで極道の流儀に殉じようとした男と

 極道を捨て、ビジネスマンとして生きようと試みるも

 自らに宿る「極道気質」から逃れられなかった男を結ぶ

 「絆」を写し出す幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「解散式」の新解釈版と呼びたくなる

 激しくも哀しい極道映画であると言えるでしょう。

 「解散式」を形成する

 任侠映画の王道的構図を反任侠的に加工する

 作劇法&映像技を

 陰鬱且つ風刺的な方向へと再加工する事によって生を受けた本作と

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。