映画に感謝を捧ぐ! 「ぼくたちのムッシュ・ラザール」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はフィリップ・ファラルドー監督の
「ぼくたちのムッシュ・ラザール」に感謝を捧げようと思います。
ぼくたちのムッシュ・ラザール [DVD] - フェラグ, ソフィー・ネリッセ, エミリアン・ネロン, ダニエル・プルール, ブリジット・プパール, エヴリン・ド・ラ・シュヌリエール, フィリップ・ファラルドー, エヴリン・ド・ラ・シュヌリエール, リュック・デリー, フィリップ・ファラルドー, フェラグ
教師の自殺に翻弄される学校に現れた
外国人教師「バシール・ラザール」と
彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は
静かなる人情味&葛藤に彩られた学園映画であります。
身近な人の死がもたらすトラウマを
乗り越えようとする大人&子供たちの姿を
娯楽的盛り上げを極限まで抑制し
淡々と描いていくストーリー&演出、キャラクター造形は
私に、現実感と文学性が独特のバランスで共存する光景と
大人社会と子供社会を結ぶ「絆」を世に示す試みの
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(ハッピー・エンドと悲劇的結末の二択に背を向けて
登場人物たちの未来を鑑賞者の想像にゆだねることによって
人生の持つ神秘性を写し出す幕切れと
なっている点も見逃せません。)
まさに「純文学系異文化交流学園映画」の
一翼を担う作品であると言えるでしょう。
娯楽映画的装飾を最小限度に留め
教師と生徒が織りなす「心の旅」を
日常劇的静けさで描写していくことによって
人生&社会の光と闇を示していくかのような気配を放つ本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。