映画に感謝を捧ぐ! 「バトル・オブ・チェルノブイリ 危険区域」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はアマデウス・コツァン監督の

 「バトル・オブ・チェルノブイリ 危険区域」に

 感謝を捧げようと思います。

バトル・オブ・チェルノブイリ 危険区域 [DVD] - ダミアン・ジェンビィンスキ, カロル・コピエツ, グジェゴシ・ハラマ, パウル・カスコヴィアク, ダリウシュ・ヴァルシ, ヤロスワフ・ヤロシュ, アベラルド・ギザ, ヴォイチェフ・トレミシェフスキ, ミハウ・ゴルコフスキ, アマデウス・コツァン
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 チェルノブイリで失踪した兄を捜す男と

 彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は

 男臭、倹約感、不謹慎力、幻惑性に溢れたSF映画であります。

 1986年の「チェルノブイリ原発事故」を

 SF映画的に利用しようとする大胆さ

 女性を登場させず、男たちの物語に徹する直球性

 語り手&時系列を急転換させる奇襲性

 台詞による状況設明を多用しつつ

 科学的根拠&登場人物の背景を極限まで抽象化すると同時に

 戦闘描写を細切れ化することによって

 予算&人員、特殊効果を最小限度に留める経済戦術性を

 兼ね備えたストーリー&演出、キャラクター造形は

 私にハッタリ戦術と節約戦術の両立法

 男臭溢れる娯楽的サービスの追求

 モンスター映画要素と戦争映画要素を力業で融合させる事によって

 生じる科学反応の一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (ホラー映画的思わせぶりと謎の解明を鮮やかに放り投げる

 荒々しさに驚かされる幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「小規模映画会社流ホラ吹き&便乗系SF」史上屈指の

 男気溢れる大怪作であると言えるでしょう。

 小規模映画会社のビジネス戦術、現実と創作を結ぶ絆

 男心の光と闇、SF映画型思わせぶり造語術

 編集によって単純な状況を複雑怪奇化する技法を

 象徴する存在の一つである本作と

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。