映画に感謝を捧ぐ! 「少年と自転車」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督の

 「少年と自転車」に感謝を捧げようと思います。

少年と自転車 [DVD] - セシル・ドゥ・フランス, トマ・ドレ, ジェレミー・レニエ, ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ
少年と自転車 [DVD] - セシル・ドゥ・フランス, トマ・ドレ, ジェレミー・レニエ, ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ

 父を捜す少年「シリル」と彼を取り巻く人々の

 運命を描いた本作は

 活劇性と悲劇性が交錯する日常劇であります。

 

 陰性ホームドラマ+極道映画的人間模様と

 アクション+サスペンス映画的逃亡&追跡が

 融合したストーリー&演出、キャラクター造形が

 軽快且つ陰鬱に進行する光景は

 私に「大人社会の暗部に翻弄される子供」の悲劇と

 人生の持つ冒険性を映画的に表現する試みの

 一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (正義と悪、愛情と狂気の秘めたる近似性

 行いと報いの関係、人間の持つ強靱さを

 静かに写し出す幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「陰鬱系冒険型日常劇」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。

 家族に捨てられた子供の心理、人間関係を安定させることの難しさ

 自転車の持つ映画的可能性、友人&環境選択の重要性を

 効率的且つクールに映像作品化した本作と

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。