映画に感謝を捧ぐ! 「獣人島」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はアール・C・ケントン監督の
「獣人島」に感謝を捧げようと思います。
H・G・ウェルズの小説「モロー博士の島」を
もとにして1932年に作られた本作は
モンスター映画史における「大いなる一歩」となる作品であります。
冒険活劇の世界に見世物小屋要素と
マッド・サイエンティスト要素を挿入する手法で
「モロー博士の島」の映像作品化に挑むという
発想によって生を受けた
ストーリー&演出、キャラクター造形は
私に、活劇性と怪奇性が独特のバランスで共存する光景と
科学者的狂気と恐怖による支配が
生み出す論理破綻&秩序崩壊を
映画的に表現する試みの一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(モンスターと人間の共存法に関する一考察を示すかのような幕切れと
なっている点も見逃せません。)
まさに「モンスター系SF入門」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。
映像作品版「モロー博士の島」の歴史を切り開くと同時に
後年のモンスター映画に対する「道しるべ」の一つとなった本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。