映画に感謝を捧ぐ! 「Peace ピース(2010年版)」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回は想田和弘監督の
「Peace ピース(2010年版)」に感謝を捧げようと思います。
Peace [DVD] - ドキュメンタリー映画, 想田和弘, 想田和弘, 想田和弘
岡山で猫たちと暮らしながら福祉活動を行う
「柏木夫妻」について記録した本作は
クールさの中に過激さを宿す記録映像であります。
状況設明を極限まで抑制し
柏木夫婦と彼らを取り巻く人々&猫の日常を
淡々と写し出していく映像が
社会派的メッセージ&戦争批判を放つという現象は
私に「現代社会の光と闇」を映像化する試みと
娯楽的装飾&言葉による解説に背を向け
目の前にある出来事を記録していくことによって
壮大なるメッセージを秘めた存在が生み出されていく光景の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(日常のささやかな変化に目を向けることの大切さを
説くかのような幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「日常系社会派映像入門」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
穏やかさのなかに哀愁&苦味を宿す日常風景を通じて
人生のドラマ性、社会と個人の関係
福祉の現状を静かに示していく本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。